1)ホルター心電図で見つかった不整脈など

普通の心電図は数分で検査出来ますが、それだけでは見つからない循環器疾患があります。

動悸がするのに、健診では異常なし。

胸が苦しいのに、病院に行って調べても大丈夫と言われた・・・

 

そんな時に24時間ホルター心電図を付けると、意外な病気が見つかる事があります。

いろいろな心電図をご覧下さい。

※各画像をクリックすると、拡大画像がご覧頂けます。

とりあえず、正常の心電図画像を・・・

これはほぼ正常の心電図です。

難しく考えないで下さい。

何となく綺麗だし、波形が整っていますよね。

そう、それだけ分かって下されば良いのです。

ん?何か変な格好な波形が!

上の心電図に比べると、明らかに変な形の波形が混ざっていますよね。

これが不整脈です。

心室性期外収縮(しんしつせいきがいしゅうしゅく)と言います。

出現する数が少なく、不整脈の形が1種類なら治療の必要はありません。

この不整脈が出ても、全く症状のない方もありますし、少し出ただけでも”ドキドキして仕方ない”と仰る方もおられます。

以前、1日に6万個の不整脈が出ても、症状が全くない方もいらっしゃいました。

同じ形だけど、間隔が一定じゃないな~

それぞれの形は一緒だけど、間隔が違うな~

これも不整脈ですが、ほとんどは心配ないものです。

日常で発見される不整脈では、一番多いと言って良いでしょう。

何せ、私も時に出る事がありますので(笑

大抵は、過労・ストレスなどで出る事が多いですね。

上室性期外収縮(じょうしつせいきがいしゅうしゅく)と言います。

ありゃりゃ、やけに間隔が長いな~

4つ目と5つ目の間隔がやけに長いですよね。

これは、ブロックと言う不整脈です。(ブロックと名の付く不整脈は沢山ありますが、これはその中の一つです)

この場合は、放っておいてはいけません。

間隔が長くなると、気を失って倒れちゃう事もあります。

ペースメーカーを挿入する手術をしなければならない場合もあります。

めちゃくちゃな波形だな!

これまでの波形と違って、”落ち着きのない波形”ですよね。

いろんな形の波形が出てるし、やけに頻脈(脈拍が多い事)ですよね。

精密検査の結果、狭心症に伴う不整脈でした。

狭心症は、心臓の周りにある”冠状動脈”の血流が悪くなり、心臓に負担がかかる病気です。

不整脈は、心臓の中にある”電線みたいなもの”の異常で出ることもありますし、狭心症や心筋梗塞などで出る事もあります。

24時間で、一番脈が速い時と遅い時は?

左写真の上段は、運動中の心電図で、脈拍150です。

下段は、就寝中で脈拍50です。

人間の体は、運動中には全身に沢山の血液を送らなければなりませんので、脈拍は速くなります。

逆に寝てるときは、ゆっくりにして心臓を休めます。

これは正常の反応です。

ただ、この方は上段の心電図に異常があり、精密検査の結果、狭心症でした。

これは、24時間心電図のうちの30分間の心電図です。

これは、24時間のうちの30分間の心電図です。

24時間心電図検査では、いままで紹介させて頂いた心電図のように、異常の部分がピックアップされますが、このように24時間全ての心電図を記録してくれます。

この方は、先程紹介した”心室性期外収縮”が沢山出ているのがわかりますね。

この30分間で200個くらい出ています。

以上、今回は24時間ホルター心電図の波形を使って、不整脈中心にお話しをさせて頂きました。

また皆さんの興味のありそうな物がありましたら、まとめさせて頂こうと思います。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。